祇園祭 2017
背景の画像は今年(2017年)7月15日、京都祇園祭の先祭(さきまつり/山鉾巡行)の宵山の様子です。四条烏丸交差点付近から西方向の様子を撮影したものです。普段は大変交通量の多い京都中心街の幹線道路なのですが、宵山となれば歩行者天国として観光客に開放されます。
沿道には人々の視線を一身に集める巨大な山鉾たちがそこかしこに点在し、また様々な出店屋台が軒を連ね、大変な活況を呈していました。その規模と熱気は、おおよそ大阪にあるハリウッド映画のテーマパークも遠く及ばないほどで、京都の中心街の大通りは言うに及ばず、裏小径やコインパーキングなどにも無数のお店屋台が展開し、町全体が日常から遊離してみやびやかに酔っているような感じがしました。
祇園祭を見に行くと、祭りの象徴である山鉾の装飾品に目がとまります。それらは懸装品(けそうひん)と呼ばれる幕地ですが、中には日本で現存最古の舶来絨毯と思しきものなども含まれていることが知られています。
他にも聖書を物語るものや、ペルシャ的あるいはイスラム的な文様をあしらったもの、ラクダと砂漠をモチーフにしたものなど、日本の伝統とは縁遠いイメージが幕地に「転写」されています。しかし、それらは実は「転写」ではなく、過去何百年か昔の中国やインド、トルコ、ペルシャ、ベルギーなどで生産され、シルクロードを経由して日本に伝来したた絨毯そのものが山鉾を飾っているのだそうです。